62歳 男性
初診時は、BMIが28.4、ウエスト周囲径が99cm、血圧が高く、糖尿病は170mg/dl,HbA1c 7.4%、中性脂肪が高くHDLコレステロールが低いという男性です。
すでに一部降圧剤が使われており、血圧がそれでも高い状態でした。血圧の薬はそのままにして、6ヶ月間減量療法を行い、10kgの減量が可能でした。
半年後にはBMIが25が少し超える値、ウエスト周囲径も89cmと男性の正常上限に近づいてきました。その段階で血圧は完全に正常化し、血糖値もHbA1cで6.0を切る状態で、中性脂肪も正常化。
このような例は、メタボリックシンドロームではいかに減量が有効であることを示しています。
日本医事新報 No.4241(2005年8月6日)

参考値:血圧<140/90, 中性脂肪<150mg/dl, T-cho<220mg/dl, HDL-c>40mg/dl, 空腹時血糖<110mg/dl, BMI<25,
実際10kgもの減量に成功するのはまれです。原則的には現体重の約5%の減量を目標にするのが妥当だと思われます。まずは少しでも減量の努力をすることが大事です。2〜3kgの減量でも検査データは著明に改善してきます。
テーマ:メタボリックシンドローム - ジャンル:心と身体
実際の症例を提示しながら、メタボリックシンドロームの実態に迫っていきたいと思います。
今回は「日本医事新報」に掲載された症例を取り上げさせてもらいます。
症例は、53歳 男性(会社員) 心筋梗塞発症例
40歳 45歳時の健康診断で軽い血糖の上昇、高中性脂肪血症、低HDLコレステロール血症があり、BMIが25をやや超えていました。50歳の段階で腹部CT像では内臓脂肪型肥満です。
一生懸命治療され、糖尿病の治療、血圧の治療、中性脂肪の治療を受けておられます。
しかし体重が経過中ずっと増加しており、40歳とか、45歳の時点ではとても考えられないような早さで心筋梗塞の発作を起こしてしまった症例です。

参考値:血圧<140/90, 中性脂肪<150mg/dl, T-cho<220mg/dl, HDL-c>40mg/dl, 空腹時血糖<110mg/dl, BMI<25,
メタボリックシンドローでは、内臓脂肪をいかに減らしていくかが最も重要な治療だということがわかっていただけると思います。年々の体重増加は最も危険な因子になります。
日本では、薬を飲んでいるから大丈夫だという思っていらっしゃる人が多いと思いますが、見かけ上検査データは良くなるかもしれませんが、メタボリックシンドロームの場合その原因である内臓脂肪が改善されなければ、動脈硬化は進んでいきます。
日本医事新報 No.4241(2005年8月6日)
テーマ:メタボリックシンドローム - ジャンル:心と身体