・NAFLDの多くは内臓脂肪蓄積とそれに伴うインスリン抵抗性が発症や病態の進展に関与している。
・内臓脂肪蓄積を認める症例では特に積極的な食事指導と運動療法を行う。
・体重減少はNAFLDの病態改善に有効である。
・標準体重当たり総カロリーは25〜35kcal/kg・日、蛋白質は1.0〜1.5g/kg・日。
・脂肪は飽和脂肪酸を抑え、総カロリーの20%以下に制限する。
・精製された糖類は控えめにし、精製されていない穀類などから炭水化物を摂取することを勧める。
・運動療法は内臓脂肪減少やインスリン抵抗性改善に有効である。
・特に有酸素運動は筋肉・脂肪組織の代謝改善に役立ち、中性脂肪が低下し、HDLコレステロール値が増加し、NAFLDの病態改善効果が期待できる。
・短距離全力疾走、重量挙げ、腕立て伏せは無酸素運動であり、NAFLD患者には勧められない。
・NAFLD患者は原則的に大量のアルコールは摂取しないので、それを継続する。
ーNASH・NAFLDの診療ガイド 日本肝臓学会編ー
テーマ:メタボリックシンドローム - ジャンル:心と身体
1.NAFLDの予後
・NAFLDは、単純性脂肪肝(simple steatosis)とNASHからなるが、両疾患の予後は大きく異なる。単純性脂肪肝は病態が進行することはほとんどないが、NAFLDの約10%がNASHである。
NASHの予後は明確にされていないが、5〜10年で5〜20%の症例が肝硬変に進行すると考えられている。
2.単純性脂肪肝の予後
・単純性脂肪肝は、肝臓に脂肪が沈着するのみで、病的意義はあまりないと考えられていた。
しかし、NASHに進行する症例も報告されている。
3.NASHの予後
・NASHの予後はまだ不明な点が多くが、これまでの報告をまとめると肝硬変への進行は5〜10年の経過観察で5〜20である。
・経過を追った肝生検の比較検討が数編報告されている。平均観察期間が3〜6年でNASH肝生検の変化は、40〜50%が不変、30〜50%が悪化、20〜30%が改善する。
・NASHの原因である肥満や生活習慣病の是正のされない症例は、病態が徐々に悪化する。病態の進行とAST・ALTは相関しないことがあり注意を要する。
・報告によって異なるが、5年生存率は70〜90%、10年生存率は50〜70%ある。
-NASH・NAFLDの診療ガイド 日本肝臓学会編-
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1.NAFLDの基本概念
・
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は肝障害を惹起する程度のアルコール摂取歴がなく、ウイルス性肝炎や自己免疫性肝炎など原因の明らかなものを除外した肝への脂肪沈着を認める肝疾患です。・NAFLDは単純性脂肪肝から脂肪肝炎、肝硬変を含む広い疾患概念です。
・非アルコール性脂肪肝炎(NASH)はNAFLDの重症型でアルコール性肝炎に類似した炎症、風船様変化、繊維化を認め、肝硬変から肝細胞癌へ進展し得る。
2.NAFLDの基本病態
・大部分のNAFLDは肥満、糖尿病、高インスリン血症、高脂血症を伴っています。
・
NAFLDは肝臓におけるメタボリックシンドロームの表現型です。・NAFLDの発症や進展に関与する基本的な病態は肥満とそれに基づくインスリン抵抗性であり、これらを結びつける因子としてアディポサイトカインの分泌異常、遊離脂肪酸(FFA)があげられます。
ーNASH・NAFLDの診療ガイド 日本肝臓学会編ー
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1980年
Ludwigは、多飲歴(週1回以下)にもかかわら組織学的にアルコール性肝炎に類似し、肝硬変へ進展を認める原因不明の20症例を集め、
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と呼ぶ、新たな疾患概念を提案。
1986年
Schaffnerは飲酒例がない(20g以下/日)にもかかわらず、アルコール性肝障害に類似した肝組織像を示す多岐の成因による疾患群をまとめて
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と報告
-NASH・NAFLDの診療ガイド 日本肝臓学会編-
テーマ:メタボリックシンドローム - ジャンル:心と身体
1.脂肪性肝疾患とは肝細胞に中性脂肪が沈着して、肝障害をきたす疾患の総称です。脂肪滴を伴う肝細胞が30%以上認められる症例は画像診断でも脂肪沈着症が強く疑われ、臨床では一般に脂肪肝と呼ばれます。
2.脂肪性肝疾患は以前はアルコールによる肝障害が多かったですが、糖尿病や肥満によっても同様な肝障害が生じることが分かり、現在では飲酒歴はないがアルコール性肝障害に類似した脂肪性肝障害を認める症例をまとめて非アルコール性肝疾患nonalcoholic fatty liver disease(NAFLD)と呼んでいます。
3.近年、NAFLDの病因としてはメタボリックシンドロームのリスクファクターである肥満、糖尿病、高脂血症などのインスリン抵抗性を基盤とする疾患が指摘されています。
4.脂肪性肝疾患は組織診断では肝細胞の脂肪沈着のみを認める単純性脂肪肝と脂肪化に壊死・炎症や繊維化を伴う脂肪性肝炎に大きく分けられます。したがって、病歴で明らかな飲酒歴がなく、肝組織で壊死・炎症や繊維化を伴う脂肪性肝炎を認める症例を非アルコール性脂肪肝炎nonalcoholic steatohepatitis(NASH)と呼んでいる。現在ではNASHはNAFLDの重症型と考えられています。
-NASH・NAFLDの診療ガイド 日本肝臓学会編-
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